【英単語の語源図鑑】conserveとpreserveの違い、説明できますか?【読書感想文】
conserve
〔自然や文化的価値の高いものを〕保存する、保護する、保全する
(英辞郎 on the WEBより)
preserve
~を保つ、保存する、貯蔵する、保護する、失わないようにする
(英辞郎 on the WEBより)
保存する、保護するという意味が共通しており、区別が難しい。
serveの原義は「奴隷として仕える」で、語根serveやsertには、「保つ」「守る」「仕える」という意味がある。
ここでそれぞれの単語を分解してみる。
con-serve
conは「共に」 (withやtogetherに相当するラテン語に由来する)
「共に」+「保つ」→ みんなで取っておく →大切にする
pre-serve
preは「前に」 (「前に」を表すラテン語に由来)
「前に」+「保つ」→ あらかじめ取っておく →失わないようにする
というように字面だけでは理解し難かった単語のニュアンスが手の届く位置まで近づいてきてくれる。
このように、単語(のパーツ)が持つ語源を、わかりやすい漫画絵(イメージ)とともに紹介してくれるのが本書だ。私は読み物として読んだが、本気の単語学習に取り入れていい考え方だと思う。
私たち日本人は読み方や意味のわからない漢字に出会った時、「へん」や「旁(つくり)」に着目して音や意味を推測する。本書の考え方を身につければ、英語でその発想ができるようになる、ということである。
読み進んでいくと、通常の単語帳には出てこないような難単語がちょくちょく現れる。例えば以下のようなものである。
- recur :再発する SVL 9
- contour :輪郭 SVL 9
- destitute :貧窮した SVL 11
- invigorate :生き生きとさせる SVL レベル区分なし
- fluctuate :変動する SVL 12
- abduct :誘拐する SVL レベル区分なし
- verdict :評決 SVL 9
- exult :歓喜する SVL 11
- levy :徴税 SVL 10
- perspire :汗をかく SVL レベル区分なし
- congenital :生まれつきの SVL レベル区分なし
- embargo :出入港の禁止 SVL 10
こんな単語紹介する意味あるのかと思っていたが、途中でこれはわざと入れているんだということに気づいた。おそらく、著者は、「難単語であっても、語源の考え方で意味を推測することができますよ」ということを伝えたかっただろう。
本書は、接頭辞ごとにChapterを分けている。
- ad- (~の方へ、~の方を)
- con-, com-, co- (共に)
- de- (離れて、下に)
- sub-(下に)
- sur-, super-(上に、超えて)
- ex-(外に)
- pro-, pre-, for-(前に、前で)
- re-(再び、元に、後ろに)
- in-, im-, en-(中に、上に)
- ab-, dis-, se-(分離、否定、反対)
- un-, im-, in-, a-(否定)
- mono-, uni-, bi-, du-, tri-, multi-(数)
更に語根で枝分かれさせ、同じ語根を持つ単語をいくつか紹介している。
例えば、Chapter 3 : de- → de-cide → con-cise, sui-cide, pre-cise, scissorsのように。
ちなみに、cide, ciseは「切る」という意味を持った語根だそう。
というわけで、1ヶ月前に続編も出たようだし、気になった方は本書を手にとって見てはいかがでしょうか。